講座研究テーマ

細菌性腸炎における抗菌タンパク質の役割の解明

ディフェンシンに代表される腸粘膜上皮由来の抗菌タンパク質は、その抗菌活性により常在微生物叢(microbiota)の組成を規定し、さらには外来病原体による感染を制御する自然免疫因子の一つと考えられています。近年、新たな抗菌タンパク質として注目されるのが、C型レクチンのRegIIIファミリータンパク質です。RegIIIレクチンは潰瘍性大腸炎やクローン病といった慢性炎症性腸疾患患者において、高発現しています。また細菌感染による腸炎(細菌性腸炎)によっても、それらの発現は著しく上昇することから、RegIIIレクチンは炎症により発現誘導される粘膜免疫因子であると考えられています。しかしながら、RegIIIレクチンの生理的な役割、さらに、その粘膜免疫制御に関する機能については、ほとんどわかっていません。そこで、本研究室では、細菌性腸炎におけるRegIIIレクチンの感染防御メカニズムの解明を試みています。

我々は、これまでに全く不明であったRegIIIβによる抗菌メカニズムを明らかにしてきました(Miki et al., 2012; Miki & Hardt, 2013)。現在では、これまでの研究を継続するとともに、マウスを使用したin vivo解析を試みています。

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