講座研究テーマ

乳酸桿菌属およびビフィズス菌における変異株作製法の確立
および有益作用発現メカニズムの解析

乳酸桿菌(Lactobacillus)およびビフィズス菌(Bifidobacterium)はヒトの腸内に生息する主要な細菌です。これらの細菌は、ヒトに有益な作用を示す細菌(プロバイオティクス)として、乳酸菌飲料やヨーグルトに用いられる細菌としてもよく知られています。プロバイオティクスの作用には、抗生物質に対する耐性菌を生み出さずに整腸、感染症予防および自然免疫活性化作用を示すなど多様な有益作用が明らかにされています(下図)。

本研究室でも、プロバイオティクス乳酸桿菌による抗がん予防作用や感染症予防作用を示す自然免疫活性化機構を明らかにしてきました。このような流れの中でプロバイオティクスを用いた予防、治療に関する多くの臨床研究が行われ始めています。しかしながら、プロバイオティクスによるヒトへの有益作用が明らとなりさらなる臨床応用がなされている一方で、これら有益作用を示す細菌側の因子あるいはその分子メカニズムの多くはわかっていませせん。

本研究室では、乳酸桿菌およびビフィズス菌において有益作用の発現に関わる遺伝子を明らかにすることを目的に研究を重ね、乳酸桿菌ではトランスポゾンを用いたランダム変異導入法を世界で初めて確立しました。さらに、およそ10,000株におよぶトランスポゾンランダム変異株からなる乳酸桿菌変異株ライブラリーを利用して、本菌の有する自然免疫賦活化作用の発現メカニズムの解明を行っています。
現在、ビフィズス菌においても、同様に機能遺伝子を同定するための遺伝子変異導入法の確立を試みています。

期待されるプロバイオティクスの有益作用

期待されるプロバイオティクスの有益作用

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