檀原宏文先生の「北里記念室から」
第1回 現在の仕事場について
皆様、お元気ですか。
私は本館3階の部屋に小さな机をいただき今も白金キャンパスに通っています。
そこでやっていること、しかしそれは現役時代とはずいぶん変わっています。
本館地下にあった体育館は皆さん憶えているでしょう。
またその右手奥の突き当たりには鉄扉のついた部屋がありました。でもこれに気付いていた方は少ないと思います。
これは白金図書館の書庫です。この部屋こそ私をワクワクさせるようなお宝が詰まっている今の仕事場なのです。
部屋に入り奥まで進むと古色蒼然とした洋書や和書が並んで向かい合っている書架があります。
この図書は北里柴三郎がベルリンのローベルト・コッホのところで勉強していた時に買い求めたものです。
志賀潔や宮島幹之助などのお弟子さんが苦労して集めたものもあります。
1800年後半から1900年前半にかけての細菌学、衛生学、免疫学などの貴重な学術書が収集されています。
この蔵書の存在はごく一部の方に知られているだけでした。
私がやろうとしていること、それは「北里柴三郎蔵書目録」とでも言うようなものを作ってこのお宝を多くの方々に利用して頂くことです。
本館地下の書庫と3階の部屋が定年後の仕事場になっています。お立ち寄り下さい。