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教授:尾鳥勝也

薬物治療に貢献できる薬剤師を目指す!


  医療の高度化に伴い、薬剤業務も近年大改革を迎えました。調剤・製剤・管理業務に加えて、病棟における薬剤管理指導業務の導入・拡大、注射薬調剤・抗がん剤混合調製、医療安全管理、感染管理、さらに薬学部6年制教育に伴う長期実務実習への対応ならびに臨床研究・治験業務など薬剤業務は多様化・複雑化してきています。また、医療は細分化され、それぞれの専門領域でエキスパートが必要とされるようになり、薬剤師もその一翼を担うことが求められるようになりました。

 平成26年5月に開院した新北里大学病院は、「成長する病院」をコンセプトとしています。東病院から消化器内科、消化器外科、整形外科が移設し、1,033床の急性期に特化した新大学病院が誕生しました。重点医療として「薬剤師を全病棟に配置することにより、医療の質の向上と安全確保を図る」という計画が盛り込まれました。この計画を実現するために4年間で28名の薬剤師を増員することとなりました。

 私は北里大学病院薬剤部のビジョンとして「薬物療法に貢献できる薬剤師を目指す」を掲げております。一般病棟のみならず手術室、ICU、救命救急、周産母子センターなどにも薬剤師を配置(常駐)させ、薬物療法に対応できる体制を確立しております。具体的には、厚生労働省医政局長から発出された通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」で示された、CDTM(Collaborative drug therapy management;共同薬物治療管理)を展開していくことです。CDTMとは、薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師などと協働して実施することです。すでに一部の領域でCDTMの導入を開始しております。

 変革する薬剤師業務を遂行するためには薬剤部員ひとりひとりのスキルアップが肝要であることはいうまでもありません。薬剤部の殻に閉じこもらないで縦横無尽に多くの職種と連携し、北里大学病院の医療に貢献できる薬剤師を育成し、強靭な組織を構築していきたいと考えております。