「微生物資源からの新しい抗生物質や生物活性物質の開拓」のテーマでは、生活習慣病(特に脂質代謝調節という観点)や感染症などに焦点を当て、特殊な細胞や酵素系を利用して独創的な評価系をまず構築することから始まります。そして構築した評価系を用いて微生物の培養液からの新規生物活性物質の探索を中心に進めています。私たちの研究室では毎年いくつかの新しい化合物の発見をしてきました。たとえば、トリアクシン(アシルCoA合成酵素阻害剤)、ヒメグルシン(HMG-CoA合成酵素阻害剤)、ピリピロペン(コレステロールアシル化酵素阻害剤)、ボーベリオライド(マクロファージ内脂肪滴形成阻害剤)のように脂質代謝制御作用を有する化合物、ステンフォンとシスラブダン(既存抗生物質の活性を増強する化合物)、ラリアチン(抗結核剤)、グアジノミン(細菌特有のタンパク質分泌機構阻害剤)のように抗感染症活性を有する化合物など約50種100成分以上の新しい化合物を発見してきました。こうした化合物を含め、これまでに北里グループ全体では、約 60 年の歴史の中で 500 種以上の独自の化合物を発見してきており、中には医薬品や生化学試薬へと応用されている化合物もあります。
具体的な研究例を1-4に示します。
★上記の研究テーマの他にも、さまざまな研究テーマがあります。大学院進学希望者で興味のある方や質問のある方は、微生物薬品製造学教室までお立ち寄り下さい!!簡単な質問でも構いませんのでお気軽にどうぞ。また、研究室見学も随時受け付けています。まずは(tomodah@pharm.kitasato-u.ac.jp)にメールを送って下さい。