臨床薬学系 |
科目名 | 薬学概論 | 1単位 必修 |
学 年 | 1年 前期 | |
担当者 | 水本 清久 他 |
教育目標
薬学部に入学した諸君に、薬学とは何かを把握してもらうのが本講義の目的である。近年薬学の発展はめざましく、その領域も拡大しつつある。その中で、創薬における基礎薬学の重要性、医療人としての薬剤師の役割と社会的責務を認識する。
授業内容
講義では、薬学の歴史、薬の役割、医療と薬学、医薬品の創製などについて解説する。
項 目 | 講 義 内 容 | |
1 | 医薬の歴史 山川 浩司 氏 (元日本薬剤師会常務理事・東京理科大学名誉教授) |
薬剤師と薬学研究・技術者の変遷について解説する。 |
2 | 院内感染―150年前のできごと― 檀原 宏文 教授 |
細菌学及び免疫学の基礎を創った北里柴三郎の業績などについて薬学の立場から考える。 |
3 | 血管とその病態 佐々木 泰治 教授 |
血管は単に血液を運ぶ管ではなく、各々の臓器の機能の維持やそれらの統合に重要な役割を果たしている。血管の機能を平易に解析すると共に、その病態・病理について、動脈硬化症を例にとって簡単に解説し、薬学入門の端緒とする。 |
4 | 植物から創られる薬 吉川 孝文 教授 |
代表的な薬用植物と植物から創られる医薬品について説明し、さらに生薬と漢方薬の関係などについて解説する。 |
5 | 遺伝子技術と医療 水本 清久 教授 |
分子生物学の発展とその医学・薬学領域への応用について解説する。 |
6 | 21世紀の新薬開発 堀内 正 氏 (第一製薬(株)創薬開拓研究所長) |
ゲノム創薬から、HTS、コンビナトリアル合成、SBDD(CADD)、マイクロアレー等の創薬新技術を使用した新しい創薬システム(新薬開発)について解説する。 |
7 | 薬の構造と性質 梶 英輔 教授 |
薬の物理・化学的性質と薬効は薬の化学構造に由来するものである事を学ぶ。 |
8 | 医療の変化と薬剤師の役割 小宮山 貴子教授 |
病院薬剤師および薬局薬剤師に期待されているチーム医療の在り方を歴史的推移や現状から説明し、今後、薬剤師が臨床薬剤師として実質的に薬物治療に関わっていくために必要な薬学知識と実地経験の重要性を解説する。 |
9 | 薬学領域でのコンピュータの活用 広野 修一 教授 |
薬学領域での教育・研究活動において利用されるコンピュータの重要性について、ハードウェアとソフトウェアの両面からわかりやすく解説する。 |
10 | 抗生物質を創る 大村 智 教授 北里生命科学研究所教授 ((社)北里研究所 所長) |
微生物は人類に有用な医薬品を創ることについて解説する。 |
11 | 環境を汚染する化学物質とヒトの健康 国本 学 教授 |
4大公害病の悲惨な歴史から、環境ホルモン、ダイオキシン問題まで、環境を汚染する化学物質とヒトの健康の関わりについて解説する。 |
12 | 薬学と医薬品行政 黒川 達夫 氏 (厚生労働省医薬局安全対策課課長) |
医薬品は生命関連商品であり、薬事法をはじめとして、様々な規制や行政措置の対象となっている。行政と薬学サイエンスとの関わりの重要性について解説する。 |
到達目標
諸君が薬学領域全般に対する正しい認識をもつと共に、薬学を学ぶ意欲が益々高まることを目標とする。
評価基準
毎回70分講義を行い、20分でレポート(要点及び感想)を書き提出してもらう。単位評価は出欠席とこのレポートの内容で行う。