化学系

科目名 化学　（１） ２単位　必修
学　年 １年　前期
担当者 梶 英輔・山田 八重子

教育目標
　化学は「物質のそれぞれの性質が異なる根元」を解明する科学であり、物質の性質を自由に制御し活用することで、人類の福祉に役立つ学問である。例えば新薬を創製する学問の中心は化学であり、薬が薬理活性を発現するメカニズムも化学の言葉で理解される。本講義では、医薬品を含めた実質の構造と性質との関係を理解するために、物質を構成する原子間の化学結合の基本を知り、それが物質にどのような特性をもたらすものであるかを考察できる能力を身につける。

授業内容
　実質の構造と性質を理解するための化学結合の本質を、原子の電子配置、周期表、及び結合軌道に基づいて考察する。

前　期
No. 項　　　目 講　義　内　容
１ 薬学と化学 自然科学―化学と薬学について
２ 原子の構造 原子の構造、原子量、同位体、原子番号、原子核、Moseleyの法則、Bohrの水素原子模型
３ 原子の電子構造 量子論による原子の構造、Schröingerの波動方程式、原子軌道、量子論による水素原子模型、電子スピン
４ 周期表 Pauliの排他原理、Hundの規則、構成原理と原子の核外電子の配置、周期表について
５ 元素の一般的性質 イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度
６ 　　　〃 1〜18族元素の一般的性質、典型元素、遷移元素
７ 原子核と放射能 原子核の安定性、放射性元素、放射線と放射崩壊、半減期（放射反応）、医療用の放射性（同位体）元素、原子力エネルギー
８ 化学結合 原子価結合（VB）法による共有結合、原子の大きさとイオンの大きさ、イオン結合、結合エネルギー、イオン結晶
９ 　　　〃
10 　　　〃 sp3型、sp2型、sp型混成軌道と共有結合、原子軌道模型のスケッチ、分子軌道（MO）法、分子模型を用いる演習
11 　　　〃
12 分子の分極 電気陰性度、分子内の電子の移動、Ｉ効果、Ｅ効果、分子の分極と双極子モーメント、極性・無極性
13 評価 前期試験

評価基準
　出席状況、演習、試験による総合評価

（書　　名） （著者・編者） （発行所）
教科書 化学 大響 茂　他 三共出版
参考書 ライフサイエンス基礎化学（第３版） 膳 昭之助 廣川書店
その他 毎回、講義終了後に演習を実施する。化学結合の立体化学を理解するために、分子模型セット（丸善）を教材として使用する。