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「DHEA(ディーエッチイーエー)」


DHEA(ディーエッチイーエー)とは

 DHEAは、デヒドロエピアンドロステロンというヒトの体内に存在するホルモンの略称で、主に体内の副腎皮質で分泌されています。分泌量は思春期に急激に高まり20代でピークを迎えますが、その後急激に分泌量が減少し、40代では約半分、80代ではほとんど分泌されなくなってしまいます。

DHEAの歴史

 DHEAサプリメントは、海外では気分を快活にして活力を増進する「若返りの健康食品」として販売されています。アメリカでは、体内での分泌量が減少したDHEAを補って20代並の状態に引き上げるばかりか、特に副作用も無く、若さが戻り、性欲もアップするといわれ、大ブームとなっています。
日本ではDHEAを含む製品は法律上医薬品とみなされるため、店頭での販売は出来なませんが、海外からの個人輸入ならば入手可能です。
サプリメントの用量は、40歳以上の健常人で、男性は一日20~50mg、女性は一日10~30 mgが一般的といわれています。(若年者は既に体内でDHEAが十分量合成されているため、40歳以下の人は摂取すべきではありません。)

DHEAの働きとサプリメントの目的
 DHEAは副腎で合成され、後にテストステロン、エストロゲンなどの性ホルモンに変換されています。テストステロンは男性ホルモンで、精子形成促進、骨・筋肉増殖作用を持っています。一方エストロゲンは女性ホルモンであり、子宮の発育肥大などに関与しているものです。
人間は、高齢になりDHEAが体内で合成されなくなってくると、男性ホルモンや女性ホルモンの合成量が低下するために老いるという考えがあり、これらの元となるDHEAを補おうというのがこのサプリメントの目的です。またDHEAは体内で性ホルモンに変換されることから、性機能改善を目的として使用される場合もあります。


DHEAの有害作用

 DHEAは生体内で合成されるホルモンであるため、サプリメントとして摂取しても安全であるという考えがありますが、DHEAはステロイドの一種でもあり、実際は多くの副作用が報告されています。国際オリンピック委員会(IOC)ではDHEAを蛋白同化ステロイド(筋肉増強剤)の一つとして、ドーピング薬物の対象にしています。
 副作用は、例えば女性に男性ホルモンの過剰作用(多毛症、顔面皮脂分泌量増加、皮膚炎)が現れることがあります。男性ホルモンの過剰作用が女性に多く見られるのは、普段体内で男性ホルモンをほとんど合成していない女性が、DHEAサプリメントを摂取することで、一時的に多量のDHEAが男性ホルモン変換され、急激に男性ホルモンの量が増えるためと考えられています。男性はもともと男性ホルモンを体内で合成しているので影響が少ないといわれています。
 また、長期連用後の服用中止による倦怠感、肝炎、不整脈などが報告されています。さらに長期摂取による安全性が確立していないため、長期摂取後の摂取中止によりステロイド特有のリバウンドが起こる可能性もあります。
 DHEAサプリメントは、DHEAアレルギーの人はもちろん摂取してはなりませんが、乳癌・前立腺癌・卵巣癌患者の方もガンの進行を早める恐れがあるため摂取禁忌といわれています。また妊娠している女性の摂取も推奨できません。


DHEAサプリメントの使用における注意点

 DHEAサプリメントの効果については、多くの研究者がその効果を認めてはいますが、彼らのヒトを用いたDHEA投与試験では、効果が有ったか無かったかという判断が使用者の主観的な判定により行われているため、客観的なデータに乏しいのが現状です。若さや性欲は本人のみが感じることであり、第三者による客観的な評価が難しいという点もあります。
 インターネットの販売サイトでは、効能ばかりがアピールされ、過大なことを言っているように思われます(ガンや心臓病に対する効果は明らかではありません)。さらに、投与量が記載されておらず、服用方法さえわからないサイトもあります。また個人輸入はすべて消費者が自己責任で行わなくてはならないもので、危険が伴うものです。
 このようなことから、DHEAサプリメントを個人輸入して使用する際には、副作用に十分注意し、メリット・デメリットを把握し、販売サイトの情報が信頼出来るものかどうか考えて使用する事が大切です。