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「クレアチン


クレアチンの歴史
 
クレアチンサプリメントは運動能力を高めるとして、ここ10年の間に多くのスポーツ選手の間に広まりました。
きっかけは1992年のバルセロナオリンピックでした。イギリスのリンフォード・クリスティがクレアチンを摂取することによって、100メートル走でカール・ルイスの記録を抜いて金メダルを獲得したのです。
それ以来多くのスポーツ選手がクレアチンを使用し始めています。1996年のオリンピックでは75%以上のメダリストがクレアチンを摂取していたと言われています。
 最近の例では、ホームラン記録を競ったメジャーリーグのマーク・マグワイヤ選手と、サミー・ソーサ選手がクレアチンを摂取していることが明らかとなりました。強靭な体を築き上げるためにクレアチンを使用しているようです。

クレアチンとは
 
クレアチンは、グリシン、アルギニン、メチオニンの3種のアミノ酸より体内(肝臓)で毎日1〜2g合成されている物質です。そして合成されたクレアチンは筋肉中でクレアチンリン酸に変換され、筋肉のエネルギー源として使われています。
 クレアチンサプリメントを摂取することで、体内でのエネルギー産生能が高まり、特に瞬発的な力が上昇するといわれています。60秒以上の運動にはほとんど効果が無いと言われ、30秒以下の瞬発力を要するウェイトリフティングなどのスポーツに効果的と言われています。確かに効果があったという報告は多いのですが、効果には個人差があり、必ずしもすべての人に効果があるわけではなく、30%の人は効果が得られないという報告もあります。これはもうすでに体内に十分なクレアチンがあるため、新たに摂取しても体内に取り込まれにくくなるからであると言われています。

クレアチンサプリメント摂取による有害情報の報告

 
クレアチンサプリメントは長期投与による悪影響が殆ど報告されていないため、インターネットの販売サイトでは副作用があまり無いと宣伝されていますが、短期間の投与による副作用が無いわけではありません。むしろ多いのです。
 海外で報告されている副作用の中で、最も深刻なものは腎機能低下です。これは摂取したクレアチンが体内でクレアチニンという代謝物となって腎臓から排泄されるため、サプリメント摂取によって腎臓の仕事量が異常に増加してしまう事によるといわれています。特に高齢者や腎臓疾患をもっている人は、もともと腎機能が低下しているので危険です。
 また、体重増加も多く報告されています。体重増加は主に初回服用時に見られることが多く、約1kg増加した例があります。これはクレアチンに水分保持作用があり、初回服用時は多目の量を摂取するため副作用が現れやすいと考えられています。この他にも、脱水症状、下痢などが報告されています。
 以上のような副作用がある事から、アレルギー体質の人、腎機能が悪い人、利尿剤を服用している人、サプリメントと相互作用を起こす薬物を服用している人、脱水症状を起こしている人はクレアチンサプリメントを摂取すると副作用が出やすくなるため、摂取してはならないといわれています。
 また、サプリメントとして売られているクレアチンの原料は、サルコシンと呼ばれる牛組織由来の物質です。このため、狂牛病に感染する恐れも否定できません。事実、フランスではクレアチン製品の販売が禁止されています。またサプリメントの製造中に、様々な不純物が生成する恐れもあります。

クレアチンサプリメントの使用における注意点
 
インターネットの販売サイトでは、クレアチンの利点ばかりが強調されていて、副作用に対する注意は殆どされていないのが現状です。こうした販売サイトの情報をあまり過信しないで、摂取することによるメリットと副作用などよるデメリットをよく知った上で購入・使用する事が大切です。