タンパク質立体構造予測コンテストで世界最高レベルの成果、竹田-志鷹真由子助教授 招待講演

 

本研究室は、2004年夏に開催されたタンパク質立体構造予測の国際コンテスト CASP6(Critical Assessment of Techniques for Protein Structure Prediction)に おいて、200を超える参加グループの中で、世界最高レベルの成績を収めました。 これにより12月初旬にイタリアで開かれた同コンテストの結果発表会に、竹田-志鷹真 由子助教授が主催者からの招待を受け招待講演を行いました。本研究室は過去数回に わたって参加しており、安定して高い成績を収め続けてきています。

 

CASPは隔年に開催されるタンパク質立体構造予測の国際コンテストのことで、今回は 第6回目となります。Casp6のホームページ上に実験的に立体構造が解明(公開)され る直前のタンパク質のアミノ酸配列が出題され、それに対し参加者はタンパク質立体 構造を予測し、指定された期間内にインターネットを介してそれぞれの予測構造を提 出します。CASPは立体構造未知のタンパク質に対して立体構造をどれだけ正確に予測 することができるか、いわば研究者のタンパク質立体構造予測に対する総合力を競う ものであり、様々な手法を駆使して参加者は予測を行います。今回のコンテストの期 間は3ヶ月に及び、出題された64問において予測構造の正確さで参加者の技術が評価さ れました。CASP6には世界中で200を超える研究グループが参加し、竹田‐志鷹助教 授は、「Template based modeling」という部門において世界最高レベルを達成し、招 待講演を行いました。

 

今回、本研究室は、独自に開発した2つのシステム「CHIMERA」と「FAMS」 を統合し たウェブユーザーインターフェースシステム「SKE-CHIMERA」を用いてCASP6 に参加し ました。医薬品開発などにおいて求められる精度の高いモデルを構築するためには、 独自の情報や公に得られる情報、研究者の知識など考えうる限りの工夫を反映させて モデルを構築する必要があります。SKE-CHIMERAは、それらを可能にしたウェ ブユー ザーインターフェースシステムで、研究者の工夫を反映させてアライメントを構築 (CHIMERA)、そのアライメントをもとに全自動でモデルを構築(FAMS)、そのモデル をもとにさらにアライメントを修正(CHIMERA)、それらを繰り返しながら精度の良い モデルを構築します。CASP6の結果により、本システムの有効性が実証されました。

 

   図: SKE-CHIMERA